≪第１５話≫ 引越し編 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ トモを自然のあるところで育てたい…と選んだ北鎌倉だったけど、やっぱり東京からは遠い。片道１時間なので、私一人の生活ならなんてことのない距離だけど、子供を一人で育てながらの通勤となるとやはり大変な距離。単身赴任でパパもいない状況で、慣れない場所でのスタートは、私にとってとてもハードな生活の始まりになりました。その上、事務所もそれに合わせて引っ越したものだから、すべてが慣れないづくし…。そしてそれは、そのままトモにとってもいえることでした。 見たことのない家に住み、保育園も変わり、その上ママはなんだか落ち着かない…そんな中で、トモはとっても不安定になってしまいました。２歳になってやっと終わった「泣き追い」がまた始まったのです。保育園を私が出るとき、すがるように泣いてくる。後ろ髪引かれながらも私は仕事にいかなきゃいけない。そんな毎日を一ヶ月続けた頃、環境が変わった事による私の不安やあせりがトモをよりそうしていることに気付きました。「まずは私がしっかりしなきゃいけない。自分で決めたことでしょう！」そう厳しく言いきかせながらも、「でも焦ることもないよ、ゆっくりやっていけばいいじゃない！」そうも言いかせることで、少しずつ私が安定してきました。 四季の変化のある北鎌倉で、それも感じられずにがむしゃらに突っ走っていた私。一歩立ち止まったとき、春を迎える木々や空気がとてもやさしく感じられてきたのです。「トモ、梅の花がとってもきれいだね」「リスさんが最近よく走ってるね」…立ち止まって、トモとそんな会話ができるようになったとき、トモも泣き追いをしなくなっていたのです。 この日記に関するご感想は、こちら！